セルロースナノファイバーの再生医療応用 ~ チキソトロピー性ゲルでの細胞培養による組織作製 ~

2018-1123-01
研究者名
所属
専門分野
生体医工学・生体材料学,高分子化学,ナノバイオサイエンス,薄膜・表面界面物性,構造・機能材料
キーワード

背景

◆ 再生医療や創薬評価には細胞から作製した生体組織が有用 
◆ 生体同様の組織を作るには細胞の三次元(3D)培養が有望
◆ 細胞の保持や配向制御能に優れた培養足場材料の適切な成形が必要

シーズ概要

◆ セルロースナノファイバー(CNF)のゲルを培養足場材料に使用(Fig.1)
◆ マイクロ流体デバイスで同軸二層の長大なファイバー状のゲルを作製(Fig.2,3)
◆ 内層のCNFゲルに細胞を包埋し3D培養して長大な筋や血管組織を作製(Fig.2,4)

優位性

◆ CNFは植物由来で生体適合性が高く細胞保持能に優れる(Fig.4)
◆ チキソトロピー性により、CNFはデバイス内での加圧時に流動し射出後の圧解放時にゲル化するため、足場のファイバーへの成形が容易(Fig.3)
◆ 加圧でCNF分子自体が配向し細胞を配向化し効率的に生体類似の組織を誘導

応用・展開

◆ 製紙産業: CNF市場のバイオ分野への拡大
◆ 再生医療産業: 治療用の再生組織作製
◆ 製薬産業: 薬剤評価用の生体モデル組織の利用

資料

  • Fig.1. TEMPO-oxidized Cellulose NanoFiber (CNF)
  • Fig.2. Gel fiber scaffold for fabricating engineered tissues.
  • Fig.3. Microfluidic device for producing gel fiber scaffold.
  • Fig.4. Microscopic images showing engineered tissues. (a) Myotubes. (b) Blood vessel.
掲載日: 2018/11/23