聴覚障がい学生の講義への参加感を高めるノートテイク支援システム

背景

聴覚に障がいがある学生が講義を受ける際は、一般に一番前の座席に座り、その両側にノートテイカーを配置するが、視線が机上のノートに釘付けになり、講師の表情やしぐさ、黒板に板書された内容に目が行きにくい状況におかれる。また、支援者の腕でノートに書かれた情報が隠されてしまうなどの問題があった。

シーズ概要

●研究フェーズ:応用開発研究、実用化・製品化研究 支援技術には、スウェーデンで開発されたアノトペンと呼ばれるデジタルペン技術と、大日本印刷株式会社が開発したプレゼンテーションシステム(OpenSTAGE®)が使われている。


紹介記事:http://www.waseda.jp/jp/news11/110804_ant.html

応用・展開

将来的には、手書きとパソコンによるノートテイクをミックスした形も含めて検討している。

優位性


(1)既存技術を組合せることで開発コストを抑え、短期間で実用化につなげる

(2)システム開発当初からユーザを巻き込み(ユーザ・インボルブド)、ニーズとシーズの乖離を避ける

(3)ノートテイカーの従来からの作業内容を大幅に変更せず、支援者の精神的な負担を減らす

(4)複数のノートテイカーが共同しながら情報支援をすることが出来るようにし、ノートテイカーの1人当たりの負担を軽減できる

(5)デジタルペンの読み取り性能が高く、ノートテイクのような比較的早い手書きにも十分に追従できる

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

  • 図1 (左)従来のノートテイク(右)今回開発したノートテイク支援システム
  • 図2 (左)デジタルペンで支援(右)支援者と離れてグループワーク(後方左から2人目が被支援者)
  • 図3(参考)発明者による先行技術「視覚障がいがある人への音声情報案内システム」(三

関連論文

  • 1. 杉中拓央、土井幸輝、畠山卓朗、高等教育において聴覚障がい学生が抱える具体的困難の抽出,生活支援工学会学会誌、生活支援工学会学会誌 2010年
  • 2. 視覚障がい学生を支援する「トーキングサイン」 
  • 3. 「障がいのある子の力を生かすスイッチ製作とおもちゃの改造入門」ジカルトイボックス(著),畠山卓朗、明治図書出版、2007年 2月ほか
掲載日: 2013/01/30