化学再生による熱エネルギーの質の向上

2011-0909-04

背景

温室効果ガス排出削減のため、化石燃料から動力や電気エネルギーを得るエネルギー変換の高効率化が求められている。化石燃料から仕事への理論的な変換効率(=エクセルギー率)は、90%以上あるが、燃焼過程において多くの損失が出ているのが現状である。

シーズ概要

熱エネルギーは容易かつ大量に得ることができる反面、不可逆でエクセルギー率の高い状態を維持するのが困難であった。これに対し、化学再生では、水蒸気改質や部分酸化などのエクセルギー低下プロセスによって、エクセルギー率の下がった中低温の熱エネルギーを化学的に汲み上げることで、再び高いエクセルギー率の可能性を創出することができる。

応用・展開

燃料として用いられるメタノール、天然ガス(メタン)、DME、バイオエタノールなどを、熱取り込み型の電気化学的部分酸化や水蒸気改質反応プロセスに組み込みことで、燃料電池や化学再生ガスタービン、化学再生エンジンなどへの適用が可能となる。

優位性

従来の複合発電や熱電供給システムが、主に1000℃以上でのトッピングサイクルと500~600℃程度の排熱のカスケード利用であったのに対して、化学再生は300℃程度の中低温廃熱を再び1000℃以上にて利用可能にする技術であり、より高いエネルギー効率を得ることができる。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

関連論文

  • DME改質による中低温廃熱の化学再生用触媒のCO生成特性 第42回化学工学会秋季大会、2010/9 渡辺 悠太、重田雄亮、中垣 隆雄
掲載日: 2011/09/09