規則性多孔体の合成と触媒化学への展開

2012-1029-01
研究者名
所属
専門分野
触媒・資源化学プロセス,化工物性・移動操作・単位操作,反応工学・プロセスシステム,無機工業材料,ナノ構造科学
キーワード

背景

21世紀、エネルギー・資源・環境問題は、我が国のみならず地球全体の大きな課題である。この課題に取り組むべく、松方研究室では、触媒化学・膜分離工学・エネルギー変換の化学に係わるサイエンスとエンジニアリングを対象として研究を行っている。特に、ミクロ・メソ多孔体の合成と触媒、分離膜としての利用、汚染土壌・廃水等の浄化プロセスの開発などに力点をおいて研究を進めている。


■ミクロ・メソ多孔体に関する研究


 1nm以下の細孔を有する結晶性アルミノシリケートであるゼオライトは、石油化学、触媒化学において重要な役割を果たしてきた。ゼオライトは従来、水溶液から結晶を析出させる方法(水熱合成法)で合成されてきた。いっぽう、我々は、ドライゲルコンバージョン(DGC)法という新規な合成法を提案し、研究を進めている。また、ゼオライトを薄膜化する手法を開発し、分離膜としての応用展開を目指して研究を進めている。

シーズ概要

■ミクロ・メソ多孔体に関する研究


原料ゲルを一旦乾燥し、これを気相中で結晶化させるという方法である。DGC法を用いると水熱合成法では得られない構造や組成のゼオライトが得られる。また、DGC法におけるゼオライトの結晶化機構に関する研究を進めている。DGCまたは水熱合成法を用い、新規な構造をもつミクロポーラス結晶の探索、触媒特性の評価、結晶化過程の解明、結晶骨格への異種元素導入法の開発を行っている。

応用・展開

多孔性シリカ、ヘテロ元素含有多孔性シリカの新しい合成手法の開発、均一なメソ孔が力を発揮する触媒反応の開発に取り組んでいる。また、ゼオライト触媒の階層構造化による触媒機能の高度化を目指した研究を行っている。

優位性

DGC法では、水熱合成法では得られない構造や組成のゼオライトが得られる。ゼオライト触媒の階層構造化手法を持っている。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

備考

■受賞歴:化学工学会奨励賞、石油学会奨励賞、触媒学会奨励賞、日本エネルギー学会進歩賞などの受賞歴を有する。


■所属学会:化学工学会、日本エネルギー学会、石油学会、ゼオライト学会、エネルギー資源学会、触媒学会、American Chemical Society(アメリカ化学会)、日本化学会、Materials Research Society、American Institute of Chemical Engineers(アメリカ化学工学会)、日本膜学会

資料

  • DGC法で得られたゼータ型ゼオライト
掲載日: 2012/10/29