新しい導波モードセンサの開発

2012-0928-03
研究者名
所属
専門分野
電子・電気材料工学,電力工学・電力変換・電気機器
キーワード

背景

1. 「メッキ液の状態監視に向けた導波モードセンサの開発」近年、電子部品の微細化・高集積化が進んでいる。その為、電子部品に金属を被覆するメッキにはより精度の高い制御が求められている。この制御における重要因子がメッキ液中の添加剤である。しかし、現在の添加剤の管理手法は、迅速且つ簡易に正確に測定することが難しい。そこで、それらの問題を全て解決できる新しい検出器として本センサの開発を行っている。 2. 「水中の微量重金属検出に向けた導波モードセンサの開発」近年、環境測定分野において、水中に含まれる有害な重金属を簡易に測定できるセンサの需要が高まっている。しかし、現在の水質検査法では検出の各工程が複雑で時間を要するため、野外での迅速なその場観測が難しい。そこで、これらの問題を解決できる検出器として本センサの開発を行っている。

シーズ概要

当研究室では、感度、可搬性、操作を兼ね備えた導波モードセンサを用いて、様々な物質の検出や物質常数の測定が可能であると考え、新しい導波モードセンサを開発している。電気化学的手法と導波モードセンサの光学的手法を組み合わせることにより、これまでにないセンサの開発が期待される。 1.メッキ液の基本組成に加え、添加剤の管理も自動で行えるAii-in-One型自動液管理装置の実現。 2.環境基準値の重金属溶液を簡易に検出できるセンサの実現

応用・展開

1. メッキ液中の添加剤の状態変化を高感度に検知することで、電子部品のさらなる微細化・高集積化 が実現 2. 印加電圧を制御し複数の重金属を選別することで、重金属の定量検出を実現

優位性

in situ測定可能、耐食性有り、防汚性有り、微量重金属検出、可搬性・操作性に優れる

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

備考

■受賞学術賞 : 電気学会Fellow、電力技術懇談会功績賞、西安交通大学名誉教授、電気学会業績賞、電気学会基礎・材料・共通部門特別賞学術・貢献賞、M.Ieda Memorial Lecture Award, IEEE International Conference on Properties and Applications of Dielectric Materials,電気学会上級会員、米国電気電子学会誘電・絶縁部門学会Whitehead記念賞、電気学会誘電・絶縁材料技術委員会学術貢献賞家田賞ほか受賞歴多数

資料

  • 検出板表面にメッキ時間0, 150, 400, 580分のメッキ液を滴下した際の反射スペクトル
  • フッ素系コーティングした検出板表面に純水を滴下した際の反射スペクトル
  • 電流Iの増加分の電圧V依存性
  • 環境基準値濃度の鉛検出

関連論文

  • ・水野盛悟, 佐藤一樹, 大木義路, 藤巻真, 野村健一, 福田伸子, 粟津浩一,「導波モードセンサを利用したメッキ液の劣化観察」, 第 58 回応用物理学関係連合講演会, 2011.3
  • ・水野盛悟, 大木義路, 藤巻真, 野村健一, 福田伸子, 粟津浩一,「メッキ液の常時状態監視のための導波モードセンサ」,第 72 回応用物理学会学術講演会, p. 03-347 ,2011.8
  • ・山下幸太,水野盛悟,大木義路,藤巻真,野村健一,上野耕治,「潜トラックエッチングによるナノ孔の電気化学応用」, 第59回 応用物理学関係連合講演会, 2012.3
  • ・山下幸太,水野盛悟,大木義路,藤巻真,野村健一,上野耕治,「導波モードセンサを利用した水中の微量鉛の検出」, 第73回応用物理学会学術講演会, 2012.9

関連特許

  • 特願 2009-019296 「検体検出センサー及び検体検出方法」
  • 特願 2007-254417 「酸化膜を用いた光導波モードセンサー及びその製造法」
掲載日: 2012/09/28