潜熱蓄熱利用システム

背景

近年のエネルギー価格の高騰や温暖化問題を背景に、省エネルギー技術や熱リサイクル技術が求められている。エネルギーの80%は熱として損失していると言われており、これを有効利用する潜熱蓄熱技術の確立は重要課題である。

シーズ概要

液体と固体との間の相転移に伴い移動する熱エネルギー(特に、温熱)を利用する潜熱蓄熱利用システム。

応用・展開

●焼却炉や工場で出る廃熱を用いるための、高温融解に強く、かつ高過冷却度でも融液状態を維持する材料の開発 ●低過冷却度で安定核化させるための核化剤の開発などにより、家屋・ビルの冷暖房のみならず、ビニールハウスの暖房・熱帯魚用温水槽・温水プール等に廃熱を利用して自在な温熱利用を実現できる。

優位性

廃熱を有効活用するには、時間的・空間的ギャップをいかに埋めるかがカギとなる。短時間・局所的な超音波照射をトリガーとすることにより起こす晶析反応を利用することで、周囲に影響を与えることなくいつでも(時間的)・どこでも(空間的)自在に発熱させることができる。

提供目的

受託研究、共同研究

資料

  • 超音波誘導核化の挙動:酢酸ソーダ3水和物に対し、超音波20kHz、3 W、0.5 sec 照射したもの
  • 利用例

関連論文

  • 1. K. Seo, M. Sakamoto and I. Hirasawa, Effect of Ultrasonic Irradiation on Inducing Crystallization of Heat Storage Material, Chemical Engineering Technology, in print (2012)
  • 2. "宮坂悦子、平沢 泉、超音波を用いた晶析操作の原理と応用、化学工学、Vol.72、No.11, 632-634 (2008)"
  • 3. E. Miyasaka, H. Hidaka, Y. Kakimoto, and I. Hirasawa, “Effect of ultrasonic irradiation on the nucleation phenomena in Na2HPO4・12H2O melt used as a heat storage material”, Ultrasonics. Sonochemistry 13, 308-312 (2006)
掲載日: 2012/06/19