液晶広角中心窩レンズ

背景

カメラの撮像素子の高精細化にともない、画像データ情報は膨大な量となっている。特に医療用、監視用カメラ等において「解像度」と「広い視野」は重要な要素であるが、両立が難しい。また、ある部分を拡大しようとすればレンズの向きを動かすために電力消費やカメラの大型化がネックとなる。

シーズ概要

外部印加電圧により屈折率を制御できる液晶材料を用いた素子を応用し、120度の広い視野を維持したまま、(単数~複数の)注目点の位置や拡大率を変化させることができる液晶広角中心窩レンズの開発に取り組んでいる。1.5mmの薄さの光学レンズ(液晶レンズセル)により構成されており、メカニカルな可動部は不要である。

応用・展開

・内視鏡カメラ:位置関係を把握する際は広い視野を用い、手術時は患部を拡大して使用。小型で可動部を含まないため体内挿入に適している。

・監視用カメラ:例えば顔部分など、特定の部位のみを詳細に記録し、全体の情報量を押さえた記録が可能(下図参照)。

・顕微鏡、携帯電話用カメラなど。

優位性

・メカニカルな可動部を持たないため、省電力・省スペース化が可能

・シンプルな素子単位の開発であるため汎用性が高い

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

関連論文

  • Wide-Angle Foveation for All-Purpose Use,Sota Shimizu,IEEE/ASME Transactions on Mechatronics, Vol.13, Issue 5, pp.587-597 (2008)

関連特許

  • 特願2011-226143 "電池システムおよび電池の評価方法” 逢坂哲彌、門間聰之、横島時彦、向山大吉、奈良洋希 出願日:2011年10月13日 出願人:学校法人早稲田大学
掲載日: 2011/09/22