経頭蓋直流電気刺激による脳活動の変調が人の意思決定に及ぼす影響
背景
◆ 生活で物をつかむ時に、左右どちらの手を使うかという選択は、無意識に生じる意思決定である。
◆ 脳卒中によって片手が麻痺すると,意識的にも無意識的にも麻痺手ではなく,健常手ばかりをつかってしまう。麻痺手の使用を持続的にうながす有効な介入法はない。
シーズ概要
◆ 経頭蓋直流電気刺激(tDCS)(図1)が、脳部位の神経活動を、持続的に(数時間)高めたり弱めたりできることに着目。
◆ 健常者を対象に,左右手の選択頻度を計測する課題中に(図2)tDCSによって手の選択に関与が示唆されている後頭頂葉の活動を変化させた。
優位性
◆ tDCSによって,左後頭頂葉の活動を抑制,右後頭頂葉の活動を促進することで,刺激後まで持続的に左手の使用率を高めることに成功(図3)。
◆ 片手麻痺となった脳卒中患者に対する麻痺手の使用を促す介入として応用可能性を示唆(右手の使用を増やすことは今後の課題)。
◆ tDCSは脳活動を変化させることで,人の無意識の状態に介入できる。
応用・展開
◆ リハビリ
◆ スポーツ
共同研究者
掲載日:
2021/10/08