製品価値創造における革新的課題解決法の提案

背景

近年のものづくり産業は、新興諸国との価格競争の波にさらされている。市場からのスピーディーかつ高付加価値な製品開発の要求に応じるために、現場の効率化から製品開発の効率化への移行が必須である。

シーズ概要

価値ある新製品開発企画・新事業企画のための手法(TRIZ:発明的問題解決理論)の提案。既存製品のクオリティの継続的な向上(改善活動)をめざすのではなく、5~10年先を見据えて社会変化を捉えた付加価値向上型の非連続(ラジカル)イノベーションを目指した新製品開発の方法論を提供する。

応用・展開

実際に、本手法を取り入れた製品開発企画に取り組んだ実績もあり、ケーススタディによるシミュレーションも可能である。具体的には、主にTRIZに価値工学等の管理技術や社会環境マクロ分析と融合させた「システマティックイノベーション」の方法論を実践する。

優位性

TRIZ(トゥリーズ)は200万件を超える膨大な数の特許分に基づく新しい手法であるが、ヨーロッパや韓国では盛んに実践されており、国内企業でも広がりつつある手法である。①思考プロセス(アルゴリズム)、②具体的テクニック、③知識データベースの3つのコアから成立する。有益機能と有害作用とのトレード・オフで開発目標を定めるのではなく、妥協・矛盾なく開発企画を可能にする手法である。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

  • 各事業成熟段階において求められる活動
  • 技術者に求められる能力の変遷
  • 代表的なTRIZ手法。TRIZは属人的な創造思考からの脱却と科学的な創造的思考方法の会得を目的としている

関連論文

  • 1.長田洋(編著)澤口学・福嶋洋次郎・三原祐治他(著)、「革新的課題解決方法」、日科技連
  • 2.澤口学、「逆転発想による創造的リスクマネジメント」、同友館
  • 3.澤口学、「日本企業が抱えるモノづくりに関する課題と今後のMOT 教育のあり方」(査読論文)日本MOT学会
  • 4.Manabu Sawaguch,"iInnovation Activities Based On S-curve Analysis and Patterns of Technical Evolution"(accepted paper) ETRIA2007
掲載日: 2012/06/27