認知神経リハビリのためのバイオフィードバック型知覚支援ロボットテクノロジー

背景

日本における65歳以上の人口の割合は約23%に達し、先進国の中でもその割合は群を抜いている。今後ますます高齢化が予想される日本社会において、QOLを向上させるためのリハビリや看護・介護サポート・サービスや支援機器等の開発は重要である。

シーズ概要

片麻痺患者のリハビリを支援する知覚支援ロボットテクノロジー(RT)の開発ノウハウ及び臨床データの蓄積。麻痺足の接地状態を、健常側の腕や背中等に装着した圧力呈示ユニットで健常側に伝達する仕組みを案出。健常側を通じて感じ取った麻痺側の接地状態と、患者が抱いている間違った身体イメージとを比較させ、身体感覚のズレに患者自ら気づかせる。RTで主体性を引き出すこの新たな仕掛けにより、脳の可塑性も促進し、自律的かつ効率的なリハビリが可能となる。

応用・展開

最近では理学療法士とリハビリ実施者(片麻痺患者)との間で接地感覚を共有する共感装具を開発し、リハ病院との連携の下、効率的かつ効果的なリハ治療法の確立に向け臨床を開始している。
小型電装部品開発、服飾制作、触覚センサ開発、福祉機器関連団体、医療機器販売、医療機器製造、病院等と連携しながら、真の認知神経リハビリに向けた統合システムを提案したい。

優位性

身体機能を補うRTはいくつか発表されているが、麻痺側の感覚を健常側を通じて脳に伝えることで、麻痺側への注意を高めながら身体の動かし方を再学習させ、主体的なリハビリにつなげるRTについては例を見ない。脳と身体活動・意欲とを“つなぐ”ロボットテクノロジーに関する豊富な知見を有する。

提供目的

受託研究、共同研究
掲載日: 2011/10/31