紙とマイクロファイバーの重層化基材を用いた自律駆動型灌流培養システム

2016-1024-03
研究者名
所属
専門分野
生体医工学・生体材料学,高分子化学,ナノバイオサイエンス,薄膜・表面界面物性,構造・機能材料
キーワード

背景

◆ 血流の‘ずり応力’などメカノストレスは生体組織形成に重要
◆ 培養液を灌流させる細胞培養法はモデル実験系として有用
◆ 従来の灌流培養系の問題点:
    [1]高度な微細加工施設が必要、
    [2]周辺機器でシステム全体が複雑化、
    [3]閉鎖系かつ小さな培養面積 (μm2 ~ mm2)

シーズ概要

◆ 細胞接着性に優れるゼラチンを材料に、紙の上にエレクトロスピニングで紡糸したマイクロファイバーを培養層に使用 (図 1)
◆ 紙の毛細管現象とサイフォン原理により自律的に培養液を灌流させる (図2)。培養液面の高低差で流量制御可能

優位性

◆ 容易に作製可能な簡便なシステム
◆ 開放系かつcm2スケール以上での灌流培養が可能
◆ 流れによるメカノストレスの効率的な細胞への負荷 (図3)

応用・展開

◆ 開放系かつ大面積の足場基材ならびにメカノストレスを利用した大型の三次元再生生体組織の作製
◆ 大型の厚い生体組織の灌流培養
◆ 開放系を利用した気液界面での上皮組織の培養
Ref.) A. Ozaki, Y. Arisaka, N. Takeda, Self-driven Perfusion Culture System Using a Paper-based Double-layered Scaffold, Biofabrication, in press (2016). 

資料

  • 図1 紙とマイクロファイバーの重層化培養基材の作製法 (左)
  • 構造および各層のSEM像 (右) 
  • 図2 自律駆動型灌流培養システム
  • 図3 灌流培養液のメカノストレス負荷による血管内皮細胞の一方向配向制御 (SEM像、矢印: 流れ方向)
掲載日: 2016/10/24