高機能化CNT細線の開発

2016-0204-01
研究者名
金 太成
所属
理工学術院 機械科学・航空学科
キーワード

背景

◆大電流容量を有する配線材料の開発が必要
◆カーボンナノチューブ(CNT)は金属の1000倍の電流容量
◆単一材料での高導電性と大電流容量の両立は困難

シーズ概要

◆垂直配向CNTアレイから無撚CNT糸を連続的に紡績 (Fig.1)
◆電解めっき処理によってCNT複合繊維を創製 (Fig.2)
◆様々な金属によるめっき形態の制御が可能 (Fig.3)
◆銅線の36.1%にあたる2.14×107 S/mの電気伝導率を達成

優位性

◆金属と比較して5倍以上軽く,比伝導率は銅線に匹敵する
◆抵抗率の温度依存性が小さく,高温環境下でも使用可能
◆ナノ材料の実用化で鍵となる生産性も高い
◆配線材料として十分に高い強度を有する(0.9 GPa)

応用・展開

◆ 電子デバイスおける軽量配線材料,大電流送電線
◆ 慣性モーメントの低さを活かした高出力モータ用コイル
◆ オーディオ用途高周波ケーブル

資料

  • Fig.1 垂直配向CNTアレイからCNTバンドルを引出し,セラミックス製ダイスに通すことで無撚CNT糸を作製 
  • Fig.2 CNT糸をカソードとし,シアン系めっき浴中で電流密度0.5~1.0 A/dm2,めっき時間10~30分で電解めっきを施す
  • Fig.3 めっき条件の調整によって様々な金属によるめっき,およびそのめっき形態の制御が可能(左:繊維内部まで金めっき処理を施したCNT複合繊維,右:外周にのみ銅めっきを施したCNT複合繊維)

共同研究者

酒井 貴広 (理工学術院 機械科学・航空学科) , 細井 厚志 教授 (理工学術院 基幹理工学部) , 川田 宏之 教授 (理工学術院 基幹理工学部)

掲載日: 2016/02/04