インクジェット法によるフレキシブルトランジスタの作製

背景

服と一体化したセンサーや丸めて持ち運べるディスプレイなど、今後、より生活に密着したデバイスを作るためには、薄く柔らかい素材での開発が必須である。
インクジェットプリンターの技術を用いて回路基板(素子や配線など)を作製するインクジェット法は省資源・省エネの製造技術として注目されており、且つフレキシブルエレクトロニクス実現のためにも有用な技術である。

シーズ概要

単層カーボンナノチューブ(Single Walled Carbon Nano-Tubes)を有機溶媒に溶かした溶液をインクとして、プラスチック基板上にインクジェット法で有機トランジスタを作製できる。

応用・展開

インクジェット法の適用範囲を広げることで、電子回路全てをインクジェット法により作製することができる。
また、溶液濃度を調整することで、レアメタルを用いない透明導電膜実現のための、透明(に近い)配線としても利用可能である。

優位性

カーボンナノチューブは他の有機材料と比較して大電流を流すことができる。2007年当時の成果として、インクジェット法で作成したトランジスタとしては世界最高レベルの性能を得ている。また、作製途中での熱処理(アニーリング)不要のため、通常と比べて低温(80度程度)での作製が可能である。
現在、「最先端・次世代研究開発支援プログラム“超高性能インクジェットプリンテッドエレクトロニクス”」によりこれらの応用研究を進めている。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

掲載日: 2011/09/09