表題番号:2026C-172 日付:2026/03/27
研究課題高エネルギー状況に対応する非線型流体問題の数学的解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院基幹理工学研究科 教授 小川 卓克
研究成果概要

  R. Haque教授(バングラデシュ・Rajahaji大), 岡田篤子氏(北里大)と共同で, 対流拡散方程式の連立対角系の初期値問題を一様ルベーグ空間で考察し, スケール臨界空間での時間局所適切性を確立した後, 大きな初期値に対する時間大域的な解の存在を, ベルンシュタイン型の正則性評価を確立することで証明した 

(JMAA (2025) doi:10.1016/j_jmaa.2025.129508).


半平面における非線型シュレディンガー方程式の初期値境界値問題を非線型境界条件の元で考察し, $L^2$における解の適切性と非線型べきの臨界性を津原 駿氏(神奈川大), 佐藤 拓也氏(学振PD)らと共同で明らかにした

(JDE(2025), doi:10.1016/j.jde.2025.113361) . 

また, 林 仲夫氏(阪大理・名誉教授), E.Kaikina氏(Morarea 大・メキシコ)と共同で, スケール臨界空間における非線形Schrodinger 方程式の初期値境界値問題を考察し, 小さなデータに対する時間大域可解性をスケール臨界性を保ちながら確立した(JMAA(2025),doi:10.1016/j.jmaa.2025.129648)


清水扇丈氏(京都大・理)と千頭 昇氏(名古屋工大・工)と共同で, 圧縮性粘性流体の初期値境界値問題について藤田-加藤の原理が適用可能なスケール臨界空間における時間局所適切性を, 半空間に近い非有界領域で非有界境界を持つ設定で確立した(CAM (2025) doi:10.3934/cam.202509)


また, 清水扇丈氏と共同で, 同様な設定の元で境界条件を自由境界問題とした場合に, やはり, スケール不変な斉次Besov空間の枠組みで時間局所解の存在をLagrange 変換を用いて確立した. 

これらの結果はそれぞれの境界条件の下での時間端点($L^1$)最大正則性と適用することにより得られるが, 特に密度方程式を流速だけで書き下し, それにより, 流速の放物型方程式の初期値境界値問題に対する時間局所的評価を適用することにより得られる. これらは結果は, 半空間ではない非有界境界を持つ場合でも, 超関数の一部を含む初期値に対して, 藤田加藤の原理を確立した結果であり, 特に非線型境界条件となる自由境界問題としてはこれまでに無い. 成果である(JMPA, to appear).