表題番号:2026C-093 日付:2026/04/03
研究課題非ホロノミックな拘束を受けるディラック力学系の変分構造に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 吉村 浩明
研究成果概要
宇宙機や天体,ロボットなどのいわゆる多体系のダイナミクスは,拘束を受ける保存系によってモデル化できる.ラグランジュ系やハミルトン系などの伝統的な解析力学的な手法を拘束系に拡張したラグランジュ・ダランベール原理に基づく変分的定式化を行うことが必要となる.とくにそれを離散化した構造保存型の定式化手法が重要であるが,非ホロノミック拘束を受ける場合,背後にどのような幾何的構造が存在するかが明確ではなかった.本研究では,余接バンドル上のディラック構造を離散し,離散ラグランジュ・ディラック力学系の枠組みを提案することで,その問題を解決している.本研究では,ラグランジュ系からハミルトン系へ,また,保存系から非保存系へ拡張することに取り組んだ.特に,熱力学系を例として取り上げ,非平衡熱力学を包含するハミルトン・ディラック系の定式化を行った.そこでは,エントリピー生成に関する関係式を非線形かつ非ホロノミック拘束として捉え,そこから誘導される反応拡散系に現れるディラック構造を明らかにした.その他にも,ディラック系に基づくニューラルネットネットワークの理論を提案し,拘束系への応用を示した.