表題番号:2025R-070 日付:2026/03/02
研究課題母の顆粒層細胞から卵子に遺伝物質が伝達される分子機構の解明とその基盤技術
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 佐藤 政充
研究成果概要
本研究では、卵成熟においてどのように母の体細胞から子になる細胞(卵母細胞)に分子が受け渡されるのかという物質輸送のメカニズムを解明して、不妊治療に貢献することを目指している。通常の実験手法ではあまり追究されることがない現象の解明には困難を伴うため、独自のイメージング手法の開発が求められており、本研究ではそれに取り組んだ。超解像レベルで生きた卵胞(顆粒層細胞と卵母細胞の集合体)を観察することで、どのように母の体細胞(顆粒層細胞)から子になる細胞(卵母細胞)に分子が供給されるのか、その一部が明らかになりつつある。具体的には、母から子への分子を伝達するのは細胞間に形成された突起構造によるとされており、その大部分を占めるのがアクチン突起であるとの報告があったが、本研究の結果、微小管の突起もまた多数存在することが明らかになった。このことは、物質輸送において過小評価されていた微小管の役割に新たな光を当てるものである。また、微小管による物質輸送を可視化するためには、タイムラプス観察が必要となるため、現在のところ、卵胞に対して細胞間をつなぐ突起における微小管の動態を可視化することに挑戦している。