表題番号:2025R-063 日付:2026/03/25
研究課題オルガネラコンタクトを介したミトコンドリア保護機構の解明とその応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 志村 大輔
研究成果概要
本研究では、GJA1-20kがミトコンドリアの分裂と機能保護を統合的に制御する新規分子機構を明らかにした。特に、GJA1-20kのN末側に存在するPIP結合部位がミトコンドリア、ゴルジ小胞、リソソームへの局在に重要であり、C末側のアクチン結合部位がミトコンドリア周囲での局所的アクチン重合に必須であることを示した。これらの結合部位の変異により、オルガネラ局在異常やアクチン動態異常が生じ、いずれもミトコンドリア分裂を誘導できなくなることから、GJA1-20kはオルガネラ間相互作用と細胞骨格制御を連結する統合因子であることが示唆された。さらに、ミトコンドリア外膜上で人工的にアクチン重合と分裂を誘導しても、GJA1-20kで認められる酸化ストレス耐性は再現されず、単なる分裂誘導とは異なるGJA1-20k特異的保護機構の存在が支持された。以上より、本研究は、ミトコンドリア分裂を分解や細胞死に結びつく現象として捉える従来の理解を越え、オルガネラ接触とアクチン重合を介した「保護的分裂」という新たな概念を提示した。
本成果をまとめて、Asian Cardiovascular Symopsium、Osaka Mito(ミトコンドリア国際シンポジウム)、日本生理学会でポスター発表と口頭発表をしたほか、Cell Chemical Biology誌に原著論文として投稿し、現在リバイス中である。