表題番号:2025R-042 日付:2026/02/04
研究課題オンラインカウンセリングにおける期待のマッチングを用いた治療効果の改善
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 桂川 泰典
(連携研究者) 明星大学 助教 高橋恵理子
(連携研究者) 株式会社cotree 原田陸
研究成果概要
COVID-19の世界的流行にともない,VCP(videoconferencing psychotherapy)が急速に普及しているが,日本におけるVCPの利用実態に関する研究知見は限られている。また,VCPにおけるドロップアウト要因の検討は不十分であり,特にドロップアウトリスクの高まる面接初期に関する研究はなされていない。
本研究は,オンラインカウンセリング(VCP)において,クライエント(cl.)の治療期待とセラピスト(th.)の期待への対応効力感の一致/乖離が初期ドロップアウトとどのように関連するかを検討した。民間企業のVCP を利用した139組の cl.-th. ペアを対象に,セッション前後の質問紙と継続の有無をデータとして分析した。cl. の期待と th. の対応効力感の総合的な乖離指標は,初期ドロップアウトと中程度の正の関連を示し,ロジスティック回帰分析でも一貫して有意な予測因子であった。一方,セッション後のプロセス指標はドロップアウトとの関連が弱く,階層的モデルに追加しても予測への寄与は認められなかった。結果は,オンラインカウンセリングにおける治療期待とセラピストの対応効力感のマッチングが治療継続に寄与する可能性を示唆しており,システム開発におけるマッチングアルゴリズムの実装が期待される。