表題番号:2025R-041 日付:2026/04/06
研究課題トリプル・ヘリックス型地域共創モデルの実践と制度化プロセスに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 扇原 淳
研究成果概要

本研究は、大学・行政・地域住民という異なる主体が連携する「トリプル・ヘリックス型地域共創モデル」の実践と、その制度化プロセスの解明を目的とした。

そこで、埼玉県長瀞町を対象として、既存の地域連携活動を基盤にして、関係人口の創出と持続可能な地域運営のあり方を検討した。

竹林整備、祭り運営支援、環境美化活動、竹あかり制作等の実践的活動を通じて、地域との関係構築と課題の把握を行った。その結果、担い手不足や観光と生活の乖離といった構造的課題に加え、参加者側の当事者意識の不足や関係の表層化といった運営上の課題が明らかとなった。

次に、これらの知見を踏まえ、市民参加型の対話形式のワークショップを実施した。多様な主体が「ターゲット・課題・解決策」の視点から議論することで、地域資源を活用した具体的な企画案が創出されるとともに、参加者の当事者意識や相互理解の向上が確認された。質的分析の結果、本手法が共創関係の深化に有効であることが示唆された。

しかしながら、創出されたアイデアを行政施策へ接続する制度化プロセス、継続的参加を支える教育・滞在環境の整備、学校との連携強化といった課題が明確となった。

今後は、地域資源を核とした事業化と制度設計を統合的に進め、持続可能な地域共創モデルの確立を目指した研究が求められる。