表題番号:2025R-033
日付:2026/03/07
研究課題過酷事故から復旧可能な軽水冷却小型スーパー高速炉概念の創出
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 大学院先進理工学研究科 | 教授 | 山路 哲史 |
- 研究成果概要
- 原子力発電技術に対する社会の受容性を改善するには、万一の炉心メルトダウン事故から速やかに復旧できる技術的な道筋を示し、原子力のレジリエンスを向上する必要がある。本研究では炉心・燃料設計、原子炉過酷事故解析、燃料デブリ挙動解析を連成し、水冷却炉の炉心メルトダウン事故からの復旧のあり方を技術的に提言しあ。理論上最もシンプルで小型化する原子炉である超臨界水冷却高速炉(Super FR)を対象に、事故時に地域住民に避難を強いる格納容器(PCV)ベントを回避し、燃料デブリを圧力容器(RPV)内に閉じ込めたまま撤去し、新たな原子炉をリプレースできる原子炉概念の創出を目指すため、核熱結合炉心燃焼計算等を用いた平衡炉心設計と評価により、その炉心特性を明らかにした。水の超臨界圧(25MPa)で運転するスーパー高速炉の炉心を小型炉から中型炉の範囲(650MWth~2073MWth)で設計した。設計解析では、中性子衝突確率法とマクロ断面積内挿法、中性子拡散近似法による炉心燃焼計算による核計算による炉心出力分布計算と、Watts’の熱伝達率相関式を用いた単チャンネルモデルによる熱水力計算による冷却材密度分布計算を結合し、平衡炉心の特性を評価した。全炉心メルトダウン事故時デブリ臨界性を低減するには燃料棒間ギャップ低減による中性子スペクトルの硬化が効果的だが、炉心出力ピーキングの低減(出力密度の増大)とトレード・オフ関係にあることを明らかにした。更に制御棒の先端を下部プレナムまで拡張したIVR-ECR概念を考案し、下部プレナム領域の構造物を先行研究(IVR-D)の約1/20に低減できることを示した。通常運転時の制御棒挿入履歴が炉心特性に及ぼす影響の評価等が今後の課題に考えられる。