| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 准教授 | 花田 信子 |
| (連携研究者) | 先進理工学研究科 | 修士課程2年 | 渡邊 陸 |
- 研究成果概要
CO2電解還元法は電力に対する応答が早いことから変動の激しい再生可能エネルギーと相性の良いプロセスとして期待されている。その中で、肥料や樹脂の原料である尿素を水溶液中で窒素とCO2の反応により電解合成する手法が報告されている。これまでに、塩基性水溶液でCO2を吸収して炭酸塩水溶液と窒素ガスから尿素を合成する手法を考案し、炭酸水素カリウム水溶液(KHCO3)に窒素ガスをバブリングしながら電解することで、尿素の生成を確認した。本研究では炭酸塩水溶液と窒素からの尿素電解合成の尿素生成速度の向上及びファラデー効率を向上させることと目的にして、溶解度の低い窒素の供給法の改善、尿素電解合成の反応律速の同定を行った。尿素電解合成の生成速度が低い要因として、N2ガスの溶液への溶解度の低さに由来する触媒表面への供給の難しさであると考え、フローセルを用いてN2供給法を改善することを試みた。ガス拡散層(GDL)電極の表側(親水性)にNi3(BO3)2触媒を塗布し、裏側(疎水性)にN2をフローすることで触媒層に直接三相界面を形成し、生成速度の向上を試みた。その結果、H型セルで窒素ガスを直接電極にバブリングした場合に比べて、尿素生成速度が3倍程度増加した。N2供給法を改善することで生成速度が増加することが確かめられた。一方でGDL由来のH2発生の電流値が大きかったことから、ファラデー効率はNi3(BO3)2/C電極に比べて小さくなった。次に、反応の律速段階が窒素源の還元なのかC-N結合の形成にあるのかを確かめるために、窒素源をN2ガスから溶液中のNO3-イオンに変更してフローセルでの測定を行った。窒素源としてN2を用いた場合に比べて、NO3-イオンを窒素源として用いた場合は窒素還元を示すNH3の生成速度が約10倍になった。一方で尿素生成速度は大きく変化しなかったことから、反応の律速段階は後続のC-N結合形成にある可能性が高いことが分かった。