表題番号:2025R-025 日付:2026/03/06
研究課題一対比較データ生成AIに基づくスケーラブルな感性評価値推定手法の構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 助手 山極 綾子
(連携研究者) 早稲田大学 教授 後藤正幸
研究成果概要
近年,客観的概念を認識する機械学習モデルが行動に発展し広く活用されているが,主観的な評価を行う人工知能技術は未だ確立されていない.しかし企業活動において自商品に対する消費者感性の把握と最適化は重要な課題であり,多商品を俯瞰的かつ効率的に評価する有用なモデルが求められている.そこで本研究では,評価対象が大規模である場合を前提として,一対比較機械学習に基づくスケーラブルな感性品質評価手法を構築し,その有効性検証を行う. 
2025年度は補助情報が表形式で与えられる評価対象を対象として,「すごい」と言った主観的な評価を行うスケーラブルな人工知能モデルならびにその活用方法について論文としてまとめた.具体的には,多くの評価対象に対して直接的な評価が困難な主観評価値を対象として,評価対象の組み合わせの一部についてのみ一対比較データを取得し,その一部のデータに基づく推定を行っている.一般に,一対比較データの取得では,評価対象の二乗に比例し一対比較の組み合わせ数が増加するため人手による評価は現実的ではない.そのため本研究では,評価対象の持つ特徴量が主観評価値に影響を与えることを考慮し,それらの特徴量を補助情報として用いた一対比較推定機械学習モデルを提案している.不足する一対比較データを補完することにより,評価対象数が多い場合であっても対応可能な,スケーラブルな主観評価値推定モデルを構築することができた. 
また,上記研究の論文化に加え,提案手法をより強力なツールとするための改善案について研究を行い,その成果を国内外で発表した.例えば効率的な一対比較データ取得方法の検証を行い,さらに一対比較の評価軸選定のための効率化手法についても検証した.また,一対比較データを複数人の被験者から取得することにより主観評価値の推定結果が人によって異なること,ならびにその実ビジネスへの応用可能性について議論を行った.