表題番号:2025R-022
日付:2026/03/17
研究課題証券市場における法的責任制度の対象となるべき不実開示についての研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 商学学術院 商学部 | 教授 | 和田 宗久 |
- 研究成果概要
- 本研究は、証券市場における不実の開示に関し、いかなる情報開示を金融商品取引法上の各種法的責任(民事責任、課徴金賦課、刑事責任)制度の対象となる「不実開示(misrepresentation, fraudulent statement 等)」として同定すべきか、という問題を検討するものであった。具体的には、不実開示の同定にかかる判断基準に定量的アプローチを導入しようとする点にあり、たとえば、不実開示がなされた可能性を示唆する適時開示情報等と、同時期の株価の異常変動に関するデータを自動収集・分析するスクリプトを開発し、不実開示によって株価が現実に変動した事例を抽出することなどを行おうというものである。本年度(2025年度)は、とくにこうしたアプローチの有効性を示し、スクリプトを作成する際に、いわゆるイベント・スタディの知見が利用・活用できるのではないかとの仮説を前提とし、現実のアメリカの証券クラスアクションにおいてイベント・スタディが上記のような不実開示の抽出・捕捉にどのような役割を果たしているか、ということについて調査を行い、併せて関連する学説の議論状況についても分析を行った。そうした研究の成果については、既に論文としてまとめており、2026年6月刊行予定の『尾崎安央先生・川島いづみ先生古稀記念 商事法の新たな地平(仮)』に『証券市場における虚偽記載等と責任制度のあり方に関する序論的考察』との題で掲載予定である。