表題番号:2025R-017
日付:2026/03/30
研究課題近代日本における名望家像の再検討―兵庫県美嚢郡三木町を中心に
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 三村 昌司 |
| (連携研究者) | 島根大学法文学部 | 准教授 | 板垣貴志 |
- 研究成果概要
- 本研究は、近代日本における名望家像を、兵庫県美嚢郡玉置家を中心に再検討することをめざすものである。本研究では、前年度に申請したものの不採択となった同内容の科研費基盤Cに関する研究を継続するとともに、不採択のうちA評価であった申請書の再検討のために、①基礎的文献の集積と分析、②研究打ち合わせおよび史料調査、③研究成果の発表を計画した。その成果は以下のとおりである。①については、日本近代史に加え近世後期の名望家や豪農・豪商のような有力者に関する先行研究や関連書籍の分析を進め、本研究を改めて位置づけるとともに課題の整理を行った。②については、2025年8月に兵庫県三木市内において、次年度に本研究課題を引き継ぐ科研費申請を見据え、研究分担者(板垣貴志島根大学法文学部准教授、加藤明恵大手前大学国際日本学部専任講師)および研究協力者(吉原大志兵庫県立博物館学芸員)、三村の4名で研究打ち合わせを実施した。またあわせて2日間にわたり、みき歴史資料館において玉置家史料を含む三木市史編さん室収蔵の地域歴史資料調査を行い、研究計画の調整と近代日本における名望家の政治的特質に関する史料収集を進めた。③について、これらの調査成果として『新・三木市史』近現代資料編における明治中期部分を執筆した。同書は当初2026年度末刊行予定で原稿は提出済みであるが、諸般の事情で刊行時期は2026年4月以降に延期されている。具体的成果のひとつとして、1904年の第9回衆議院議員総選挙を前に、西園寺公望から玉置福蔵に宛てて送付された書簡を分析し史料の前文翻刻と解説執筆をした。分析からは、この時期の制限選挙制および大選挙区制のもとで、広域に名望を有する玉置福蔵のような地域有力者が、政友会の選挙運動における重要な集票主体であったことを明らかにした。