| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 准教授 | 阿内 春生 |
- 研究成果概要
本研究は、教育政策に関する地方議員の態度を研究する調査研究の一環であり、教育政策に地方議員が介入を強く思考する場合、反対に控える場合を規定する要因は何か、についての示唆を得ようとするものである。
本研究では政令指定都市の議会における議論に注目している。政令指定都市は義務教育の教育行政の機構の面からみると、我が国において特殊な存在である。政令指定都市を除いた一般の市町村教育委員会は、市町村が公立小中学校の設置義務を負っているため、施設の整備や維持、日常の学校管理の権限を有する。都道府県教育委員会は公立小中学校の設置義務は負っておらず、教員の採用・異動・研修、給与負担などの人事に関する権限を有する。これに対して政令指定都市は公立小中学校の設置義務を負い、かつ、都道府県と同様に教員の人事に関する権限を有する。こうした状況にある自治体の単位は、我が国においては政令指定都市だけである。
さらに地方議会の環境に目を向ければ、人口が多い政令指定都市議会においては一般の市町村に比べて議員の党派性がはっきりしていることが多い。このため、都道府県議会に似た党派性の比較的はっきりした地方議員が、公立小中学校の学校設置、教員人事の議論が行われる権限を持った自治体単位において議会を構成していることになる。
本研究では、ある政令指定都市を事例に給食政策に関する事例を検討した。公立小中学校において提供される給食は、給食施設の設置や配送など、教育政策「らしからぬ」性質を持った政策である。給食政策について、政令指定都市議会を対象とした調査研究を行うことで、地方議員が党派によってどのような対応をとるのかを検討した。確定的な結論を得るには至っていないが、首長与党であるか否か、政策実施のためのコストをどう捉えるかなど地方議員が給食政策について、どのように対応するかの示唆を得ることができている。
なお、本研究に関しては論文等の公刊を通じて今後成果を公表していきたい。