| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 文学学術院 文学部 | 教授 | 竹村 和久 |
| (連携研究者) | 東京理科大学 | 教授 | 井出野尚 |
| (連携研究者) | 静岡県立大学 | 准教授 | 玉利祐樹 |
| (連携研究者) | 北海学園大学 | 講師 | 村上始 |
| (連携研究者) | 東海学園大学 | 助教 | 川杉桂太 |
- 研究成果概要
従来の行動意思決論は、プロスペクト理論や他の非線形期待効用理論のような数理モデル を発展させてきたが、意思決定過程における決定方略との相互関係や理論的統合がなされて おらず、経済、経営、政治、行政等への処方的活用が限定されるという深刻な実践的課題があった。本研究は、この問題点を克服するために、両者の数理的関係を明らかにし、 さらに、プロスペクト理論の問題点を克服する意思決定の数理モデルを多属性に拡張し、新 しい非線形効用論に展開するとともに、意思決定支援のための方法論を検討した。 本研究では、これらにより意思決定過程研究を統一する理論的観点を提示して、数理・計量 モデルの展開と計算機シミュレーションをもとにした理論的研究と心理学的・神経科学的実 証的研究を行い、行動意思決定論の再構築を行った。また、ナッジのような意思決定支援法を補完するような、意思決定者の自発的な意思に基づいた意思決定の改善や最悪な結果を回避する意思決定法について数理科学的裏付けをもとに再構築し、消費者意思決定支援や医療意思決定 支援や防災意思決定支援などについての研究を行った。計算機シミュレーションでは、方略のすべての可能な組み合わせについて、メルセンヌ・ツイスター法を用いて疑似乱数を生成し、Takemura et al. (2023,2025)の方法に基づく計算機シミュレーションを行った。 多属性意思決定課題を定式化するために、第1段階から第2段階までの選択肢の数を3つ以上になることも考慮して、意思決定開始時の選択肢の数を5、8、10 の 3 水準とする。同様に、各決定課題における優位な選択肢の有無を考慮しながら、属性数も3、5、8の3水準に設定する。属性の重要度は、高分散と低分散の設定により分岐する2種類の作成方法を用いて、ランダムに生成し適用する。選択肢数(5、8、10の3水準)×属性数(3、5、8の3水準)×重要度の分散(高、低の2水準)×優位選択肢の有無(2水準)の計36条件で1万個の多属性意思決定課題を作成した。第一段階では、連結型(CON)、分離型(DIS)、EBA型(Elimination-by-aspect: EBA)、辞書編纂型(LEX)、半順序的辞書編纂型(LEX-S)の5種類の方略を使用した。