表題番号:2025Q-044
日付:2026/03/27
研究課題SDGs時代に順応する森林減少・劣化対策を目的とした森林ガバナンスの成立条件
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 教授 | 平塚 基志 |
- 研究成果概要
- 森林減少・劣化対策が進められているラオス国ルアンプラバン県ポンサイ郡のうち、最も森林減少・劣化が著しいHouaikhing Village Cluster内の3つの村を対象に、踏査による土地利用の評価、及びインタビューによる地域住民の土地利用と生計活動の関係の評価を行った。Houaukhing村での踏査から、焼畑移動耕作の代替として水田耕作が拡大しており、焼畑移動耕作への依存度が減少したことを確認した。副村長他からは、家畜飼育による生計活動が拡大し、焼畑移動耕作への依存度は減少傾向だと聞き取った。Houayha村では、焼畑移動耕作への依存度が減ったことから、キノコやコンニャクといった非木材林産物の生産量が増加していることが分かった。ただし、いずれの非木材林産物も国際価格に依存することから、生活の安定性(家計収入の安定性)には課題があった。Sakuan村は2年前に無電化村から電化村になったことで、低い標高の位置にある水がめからポンプによる給水が可能となり、生活様式が大きく変化していた。ただし電話が繋がりにくいため、病気等への対応や農業に関する情報交換に課題があった。まとめとして、焼畑移動耕作に依存している地域住民においては、代替生計なしに依存度を軽減することは極めて困難であることが改めて浮き彫りになった。そうした中、家畜飼育、水田、非木材林産物と収入源を多様化することから生活のレジリエンスの向上が確認され、それを維持・向上するためのガバナンスが必要になると考えられた。他方、出稼ぎにより村を離れている住民が増加傾向にあり、村内の社会関係資本の維持には課題があったことから、今後はそれを踏まえてのガバナンスが求められると考えられた。引き続きラオス北部の村落を対象に、国際的課題である森林減少・劣化への対応と地域レベルでの生活のレジリエンス向上のベストミックスを提示するため、調査研究を進めていくこととした。