表題番号:2025Q-037 日付:2026/03/27
研究課題企業の防災活動におけるインパクト評価指標の導入に関する基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) データ科学センター 講師 寅屋敷 哲也
研究成果概要

本研究は企業の防災活動によるインパクトを評価するための指標の開発を目的とする。企業の防災活動には、多様な取り組みがあり、今年度は、災害時のトイレ、暑さ対策を対象として、それぞれの防災活動におけるインパクト評価指標の検討に努めた。災害時のトイレに関して実施した研究は、災害時に帰宅困難者を収容する一時滞在施設を運営する企業を対象として進めた。具体的には、東京都内の複合施設で実施された簡易トイレ訓練において簡易トイレの使用時間の測定及び許容待ち時間の調査を実施し、これらのデータを基に、モンテカルロシミュレーションを行い、帰宅困難者向けの一時滞在施設における利用者数に対する最適なトイレ使用場所の数を算出できるモデルを構築した。併せて、大量の帰宅困難者を受け入れた一時滞在施設では、使用済みトイレゴミの保管場所が問題になる。そのため、同訓練によって生じたトイレごみの量を測定し、受け入れた人数に対して必要になるゴミの保管場所の面積の算定式を作成した。以上の研究成果は、一時滞在施設を運営する企業の対策の実務に有用である。災害時にトイレができない状況が続くことは身体的負担となり、衛生環境の問題にも発展し得る。災害時においてもトイレをスムーズに快適にできる環境を整備することは、社会的なインパクトとして大きいといえる。また、暑さ対策に関しては、災害発生時が夏季である場合の滞留者の施設受け入れ場所においては、滞在中に熱中症等になる人を防ぐための対策は社会的インパクトが大きく重要である。そこで、本年度は、災害時の滞在場所や待機場所になり得るスペースの暑熱環境の測定を行い、より精緻な研究計画を構成するための要素を検討した。