表題番号:2025Q-033
日付:2026/03/26
研究課題神経制御の特徴に基づくスプリントトレーニングの開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 | 講師 | 欠畑 岳 |
- 研究成果概要
- 本研究課題助成では、シンガポール研究滞在中に取得した研究データに基づき、以下の視点から研究成果をまとめた。①短距離選手と長距離選手のスプリント中の神経筋活動の相違本研究では、全力疾走時における短距離選手と長距離選手の下肢筋活動を比較した。その結果、短距離選手は走速度、ピッチ、ストライドが有意に高く、接地時間は短かった。筋活動では、大殿筋や大腿二頭筋などの股関節伸展筋の活動がスイング期中盤ー終盤および接地期で高値を示した。また、スイング期初期には大腿直筋や前脛骨筋の活動も高かった。これらより、短距離選手は強い股関節伸展による加速能力および素早い脚のリカバリー動作という2つの特徴的な神経筋戦略を有することが示された。②ユースアスリートにおけるスプリント中の神経筋活動の解析本研究は、成長期におけるスプリント中の下肢筋の神経筋活動の違いを明らかにすることを目的とした。男子ユース選手18名をU19群(17〜19歳)とU16群(13〜16歳)に分け、50m全力疾走中の動作および筋活動を測定した。その結果、U19群は走速度やピッチなどのパフォーマンス指標で有意に高値を示した。筋活動パターンは概ね類似していたが、大腿直筋(RF)において有意な差が認められ、特にスイング期初期でU19群の活動が高かった。RFは股関節屈曲に重要な役割を持つため、この高い活動は脚の前方へのスイング速度を増加させ、最高速度の獲得に寄与すると考えられる。これらの結果から、ユース期では筋発達に加え、神経筋活動の相違がパフォーマンス向上に関与することが示唆された。これらの成果について3件の国際学会で発表し、うち一件において最優秀賞発表賞を受賞した。