表題番号:2025Q-032
日付:2026/02/11
研究課題高校陸上競技部における選手選考の現状と課題
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 | 教授 | 深見 英一郎 |
- 研究成果概要
- 選手選考は,選手にとって天国と地獄ほどの差を生む残酷なイベントである.日本陸連は,オリンピック代表選手を選考する際,①強化委員会で原案作成→②選考委員会(外部有識者含む)で選考案策定→③理事会承認という過程をふむ.選外となった選手が選考手続き・結果に疑念を抱かず納得してもらうため,選考の公平性,透明性を担保する仕組みを整えている (麻場・平野, 2019).他方,部活動は,学習指導要領(平成29年3月)において「学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意すること」と位置づけられている.このことから,「勝てばいい」,「強ければいい」選手を選べば良いというわけにはいかない.高校野球部における選手選考を調査した深見ほか(2022)の研究では, 「指導者のみ」または「指導者と部員」で選考し,選考基準を示すことで全部員に等しく選ばれるチャンスを提供していた.また,技能・実績だけではなく練習態度や学校での生活態度も考慮していた.しかし,野球のようなチームスポーツとは異なり,陸上は個人スポーツ.タイムや記録といった客観的で明確な基準が存在することから,選手選考における混乱は少なく,指導者の裁量余地はあまりないのではと予想した.本研究では,高校陸上部の指導者を対象にエントリー選手の選考方法を調査することで,高校陸上部における選手選考の現状と課題を明らかにする.対象はS県内32校の高校陸上部36人の指導者を対象とした.調査は,1)誰が選手を決定するか,2)選考基準及びその意図・理由について回答を求めた.その結果,指導経験がより豊かな指導者ほど,記録だけではなく部員の様々な面を考慮して,選考基準を開示して部員と一緒により丁寧な選考手続きを行っていることが示された.