表題番号:2025Q-005
日付:2026/04/01
研究課題法の支配の個人権的基層の探究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 法学学術院 法学部 | 教授 | 郭 舜 |
- 研究成果概要
本研究の目的は、法の支配の理念の基礎づけについて、個人のもつ権利という基層に遡って明らかにすることであった。法の支配についての構想として、ロン・フラーによる法内在道徳の議論がある。これは、遡及法の禁止や法の明確性、遵守可能性といった八つの要求が、法が法であるために満たすべき条件であるとするものである。しかし、これは立法者・統治者に対する要求であって、被治者たる個人がそれに応じていかなる権利を保障されるかは、必ずしも明らかではない。そこで、法内在道徳の要求の根底にある自律の相互尊重の原理が、理由の探求・提示と不可分に結びついているという観点からこの問題に取り組み、法の理由を争う異議申立の権利がその中核にあること、それは裁判を受ける手続的権利だけでなく、表現の自由のような他の権利と内在的に連関していることが明らかとなった。今後は、これらの権利を保障するためにいかなる制度配置が要求されるかにつき、検討する予定である。