表題番号:2025E-044
日付:2026/02/12
研究課題サードプレイスを通じた権限によらないリーダーシップの醸成とその影響
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | グローバルエデュケーションセンター | 講師 | 片岡 亜紀子 |
- 研究成果概要
- 本研究は、「サードプレイスを通じた権限によらないリーダーシップの醸成とその影響」をテーマに、大学と社会をつなぐ学習環境において育まれるリーダーシップ形成のプロセスを明らかにすることを目的としている。近年、組織におけるリーダーシップは、役職や権限に基づくものだけでなく、対話や協働を通じて自発的に発揮される関係性志向のリーダーシップが重視されつつある。本研究では、その形成を支える学習環境としてサードプレイスに着目している。サードプレイスは、Oldenburg(1989)が示した「中立性」「平等性」「会話」などの特性を持つ、参加者同士がフラットに関わることのできる場として理解される。本研究では、サードプレイス的な学習環境を「対話的相互作用を通じて自己理解・関係構築・主体性の形成を促す非公式学習環境」として捉える。本年度は、サードプレイスにおける学習経験と個人の発達との関係を検討するため、関連研究の蓄積と理論整理を進めた。サードプレイスとライフキャリアレジリエンスに関する研究成果が学術誌に掲載され、自己理解の深化や社会関係の再構築への寄与が示唆された。また、サードプレイス研究の理論的枠組みを整理するナラティブレビューを国内学会に投稿し、研究動向の把握を進めた。さらに、異なる学年の学生や企業関係者が協働する授業実践において事前・事後アンケートの分析を行い、対話的な学習環境が主体性や他者理解に与える影響について探索的に検討した。現段階では、関連研究の蓄積と教育実践の検討を通じて、サードプレイス的な学習環境における経験が権限によらないリーダーシップ形成に関わる可能性について理論的基盤が整いつつある。今後の課題として、調査設計の具体化や教育実践および学外コミュニティにおけるフィールド調査を通じて、リーダーシップ発達への影響を実証的に検討する必要がある。得られた知見は、大学教育におけるリーダーシップ教育の設計やキャリア形成支援への応用が期待される。