表題番号:2025E-041 日付:2026/04/01
研究課題超幾何モチーフのレギュレーターに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 根本 裕介
(連携研究者) Winnipeg大学 Associate Professor Payman Eskandari
(連携研究者) Toronto大学 Professor Kumar Murty
(連携研究者) 東京科学大学 博士研究員 佐藤謙
(連携研究者) 東北大学 准教授 山内卓也
研究成果概要

本年度は海外の大学(Winnipeg大学・ENS de Lyon)で訪問研究員として研究活動を行ない、レギュレーターや超幾何関数、代数的サイクルに関する以下の研究成果を得た。


1. Dworkのp進超幾何関数の変換公式の研究

2. 超幾何曲線の代数的サイクルの研究

3. P^1 \times P^1 のアーベル被覆のChowサイクルの構成

4. 対数型p進超幾何関数に関する研究

5. カタラン定数に付随する混合モチーフと線形関係式に関する研究


1に関して、WangはDworkのp進超幾何関数のtと1/tの間の変換公式を予想し、超幾何関数の次数が低い場合に予想が正しいことを証明した。本研究では、ある仮定のもとで一般の次数の超幾何関数に対してこの予想が正しいことを証明した(Bulletin of the Australian Mathematical Society, 2025)。


2に関して、朝倉-大坪によって定義された超幾何曲線はその周期がガウス超幾何関数で記述できる代数曲線である。この曲線に対して、Gross-Kudla-Schoenによって定義されたmodified diagonal cycleのAbel-Jacobi像が非自明であることを、この像に付随するJacobi多様体上の点が非自明であることを示すことで証明した(with P. Eskandari, Journal of Number Theory, to appear)。同様に、この点が非ねじれであることを証明できれば、上述の代数的サイクルが非ねじれであることを証明できることが見込まれる。


3に関して、超幾何曲線の積から作られる曲面上に、代数的サイクルをblow-upをしたときに現れる例外曲線と対角曲線を用いて構成し、それらが非自明であることおよび独立であることをレギュレーターを具体的に計算することで証明した(with K. Sato, preprint)。


4に関して、朝倉が定義した対数型p進超幾何関数のパラメーターを拡張した。また、ある条件下では、t=1での値が消えていることを予想し、特別な場合にこの予想が正しいことを証明した(preprint)。


5に関して、周期にカタラン定数が現れる混合モチーフを構成し、その幾何的性質を用いて、1とカタラン定数からなる有理数列を具体的に構成する手順を与えた(with P. Eskandari, K. Murty, preprint)。本研究は、将来カタラン定数の無理数性の証明に応用できるものであると考えている。