| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 高等学院 | 教諭 | 梅田 礼敬 |
- 研究成果概要
近年,高校において探究活動が重視されている。理科においては仮設→研究方法の検討→実験・観察→考察・検証→発表という実験実習がまさに探究活動そのものである。ただし実験授業を行うには実験時間をとるだけでなく実験前後の解説等が必要となり,通常授業との時間の兼ね合いが難しい。そこで,実験実習との相性が良好であるとは言い難い動画配信を効果的に利用できないかと考え,生徒の成果物からその効果をある程度の定量性をもって測定することを試みた。
今回は高校1年の4クラスに対し「グラフの書き方」をテーマにした動画を配信した。比較対象としてもう1クラスに対しては動画と同内容の授業を対面で実施した。提出されたレポート中のグラフについて,注意点7点が守られているかどうかを分析し,動画配信したクラスには動画視聴に関するアンケートも行った。昨年度も同様の調査をしており,そのデータも加味して検討を行った。
7分弱の動画を作成,配信し生徒はそれを視聴しながらグラフを書く作業を行った。動画と同内容の授業を実施したところ45分程度を要した。一定数の生徒が配信された動画を視聴せずにグラフを書いているようで,分析精度を高めるために注意点7点のうち4点以上間違いがある生徒を除外することとした。
本年度の結果より,対面授業のほうが明らかに間違いの少ないグラフが書けていた。これは授業内で学び合いを促した効果と思われる。動画視聴のクラスの間違いについては平均で1~2か所で,箇所も似通った部分が多かった。また,アンケートより,「授業で扱うより動画を見ながらのほうがグラフを正しく書けると思う(56%)」「動画を見ながらグラフを書いた方が効率がいい(71%)」と,動画視聴への抵抗は大きくなく,時間効率を重視する様子が伺えた。一方で学習管理システムにほとんどアクセスしない層が一定数(15%)おり,今回除外された生徒の割合(16%)とおおむね一致している。これらの層への呼びかけと「間違いが多いポイント」について授業中に扱えることができれば,動画配信による授業時間の確保は有効な手段の一つとなりうるということが定量的に分析できた。