表題番号:2025E-031
日付:2026/04/04
研究課題「人間との近さ」の技術的操作可能性とそれに基づく道徳的価値評価の限界
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 社会科学総合学術院 先端社会科学研究所 | 助手 | 高江 可奈子 |
- 研究成果概要
本研究では、科学技術の進展により「人間との近さ」が技術的に操作可能となる現代において、この基準に依拠した道徳的価値評価の限界を、動物倫理学とAI倫理学を横断して検討した。研究期間中は、生命操作技術と倫理の連関を扱った論考・分担執筆を通じて、ゲノム編集、分子ロボティクス、培養肉などの技術が、生命の設計可能性を拡大する一方で、既存の種差別規範や生命観、人間中心的な価値序列を揺さぶることを考察した。また、「サイボーグ化する生命」や人間中心主義を超える倫理枠組みを主題とする研究発表により、動物・人工物・環境を横断する規範的視座の再構成を進めた。さらに、ペットの安楽死をめぐる文化的・倫理的差異や、AIによって死者を「蘇らせる」ことの是非を検討することで、動物福祉、人工物との関係、死生観をめぐる具体的事例に即した分析を深めた。加えて、気候変動における責任の共有に関する検討を通じて、個体の内在的性質のみに還元されない責任と価値の捉え方を広げた。以上の成果を基盤として、現在はコンパニオンロボットにおける関係的個体化と関係的地位を軸に、AI倫理論文の執筆を進めている。