表題番号:2025E-029 日付:2026/04/02
研究課題災害後の復興-地域づくりにおける主体間の関係プロセスに関する質的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 講師 清水 健太
研究成果概要

 本研究は、2024年1月の令和6年能登半島地震以降、石川県珠洲市の狼煙地区で継続的に実施している研究の一部分である。また25年度は一連の研究を科学研究費(25K17760)の助成も受けて実施しており、以下の内容にはその成果も含まれている。

 25年度は計11回現地入りし、地域で行われる住民会議や催しにおいて参与観察を行ったほか、地域の復旧・復興や地域づくりに中心的役割を果たしている二名の地域住民へのフォーマル・インタビューも実施した。加えて、狼煙地区に関する文献を収集する作業を、24年度に引き続き行った。以上の調査から、次のような成果を得た。

 狼煙地区では、地域住民が主体となって、災害からの復旧・復興、さらにはその先の地域づくりまでを見据えたさまざまな取り組み(「復興-地域づくり」)を行っている。その中核は、2024年4月以降ほぼ毎月開催している住民会議である。集会施設の再建や生業の振興等の具体的な地域課題に対して、住民会議の場で話し合いを重ねながら取り組んできた。狼煙地区ではまた、地域の諸課題に対して、地域外のさまざまな支援者の力を積極的に借りながら取り組んできた。加えて、住民や関係者(元住民や親族等)が地域の復興-地域づくりになるべく主体的に参画できるように、地域内での情報共有にも力を入れてきた。 

 狼煙地区における以上のような取り組みの背景には、そこ関わる主体間の関係の調整や、会議や共同作業を行うために必要な準備作業といった、無数の気遣いや手間が存在する。そのような気遣いや手間の多くを、狼煙地区の区長と、区長とともに住民会議等を支えてきたある住民の2名が担っている。本研究では、そのような気遣いや手間の実態を詳細に明らかにするとともに、その重要性や困難さへの考察を深めた。

 本研究の成果の一部は、20266月に開催される日本生活学会第53回研究発表大会にて報告予定である。