表題番号:2025E-015 日付:2026/04/01
研究課題エージェント技術を利用したゲーミングのシナリオ設計支援手法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 助教 坂田 顕庸
研究成果概要

本研究では,ゲーミングで利用されるゲームの設計支援に向けて,エージェントによる大量ログ生成と,その分析にもとづく学習軸抽出の方法論を検討した.従来,ゲーム設計者がゲームのダイナミクスを理解し,ルールやパラメータを調整するには,多数のプレイログを長期間にわたり収集する必要があり,試行錯誤に大きな時間的負担が伴っていた.これに対し本研究では,資源配分型ゲーミングを対象に,エージェントに繰り返しプレイさせることで短時間に多数の試行データを生成し,それらを多入力・多出力データとして整理したうえで,DEA(データ包絡分析法)を反復適用する分析枠組みを提案した.その結果,学習ポテンシャルを「効率性のばらつきが存在すること」と「改善余地が観測されること」の両方を満たす入出力仕様として操作的に定義できる見通しを得た.さらに,効率的事例との参照関係を用いて,到達可能な理想像の違いを複数の学習軸として整理し,デブリーフィングで比較・検討すべき観点として提示する考え方を明確化した.加えて,Beer Distribution Game を題材としたデモンストレーション設計を通じて,在庫費用,欠品費用,総費用,充足率,累積出荷量などの指標の組合せから,改善余地が明瞭に現れる評価観点を抽出できる可能性を確認した.以上により,プレイログにもとづいて学習目標を具体化し,設計改善の根拠を与える方法論として,本研究の有効性検証に向けた基礎的検討が完了した.今後は,デモンストレーションを進めて提案枠組みがワークすることを確認し,外部発表を目指す.