表題番号:2025E-010
日付:2026/04/02
研究課題中国語の方言の音声的特徴と聴覚印象
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 商学学術院 商学部 | 講師 | 陳 曦 |
- 研究成果概要
言語イメージは,その言語が使用される社会や文化,話者に対するイメージと密接に関係していると指摘されてきた。一方で,言語の音声そのものが聴覚印象にどのように影響するのかについては,社会的要因を排除した形で検討した研究は多くない。特に,音声的特徴のみを手がかりとした聴覚印象を体系的に調査した研究はほとんど行われていない。本研究では,中国語の方言を題材に,聴覚印象にどのような音声的特徴がどのように影響しているかを検討した。
中国語非母語話者である日本語母語話者を対象に,聴取調査とインタビュー調査を行った結果,中国語学習歴のある話者にとって聞き慣れている方言は聞き心地が良いこと,母語である日本語に存在しない分節音(母音、子音)や音配列といった,聞き慣れない音があると聞き心地が悪いことがわかった。具体的な音声的特徴として,閉鎖音韻尾(音節末閉鎖音:p,t,k,ʔを含むCVC音節)があること,急激な音の上げ下げの変化が現れること,音節の長さが一定していないこと,有気音の帯気性の強さ・破裂の強さが強いことが聞き心地評価を下げる可能性が高いことがわかった。
以上のように,聴覚印象に影響を及ぼしうる社会的要因を排除した場合でも,言語・方言の聞き心地の評価に差があること,言語・方言の音声的特徴のうち分節音とプロソディーの両方が聞き心地の評価に影響を及ぼすことが示唆された。