表題番号:2025C-760 日付:2026/03/10
研究課題1990年代以降の東京・渋谷における「シティ・カルチャー」の展開に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 原 知章
研究成果概要
1990年代以降の東京・渋谷における「シティ・カルチャー」の具体的な事例として、「渋谷系」と呼ばれる音楽に注目した。とくに「フリー・ソウル・ムーヴメント」に焦点を当てた。具体的には、インタビュー調査や文献資料調査を通じて、このムーヴメントの生成と展開の過程とその背景を追究した。「渋谷系」に関する学術的議論では、フリー・ソウル・ムーヴメントは、イギリスのレア・グルーヴ・ムーヴメントの影響を受けて、過去の音楽の発掘と紹介を行なったものとして位置づけられることがある。しかし本研究では、フリー・ソウル・ムーヴメントを主導した人物が、「レアな楽曲の発掘自体を目的にしてしまうことは、本末転倒だ」と考えていたことや、「新旧を問わず、自分たちの感覚に合う音楽を楽しむこと」を重視していたこと、さらには、このムーヴメントが、当時の日本のポピュラー音楽のメインストリーム、あるいは音楽マニアや音楽評論家に対する「何重ものカウンター」と呼びうる活動のなかで育まれたものであったことを明らかにすることができた。研究の成果は学会誌に投稿した。