表題番号:2025C-759 日付:2026/04/02
研究課題労働現場における高負荷な姿勢を含む姿勢データセットの作成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 講師 肥田 拓哉
研究成果概要
仕事に起因した腰痛や肩こりなどの筋骨格系障害を予防する方策のひとつとして、人間工学評価ツールによる作業姿勢の評価があげられる。人間工学評価ツールとは、人が目視によって観察した作業や作業者を決められた基準にもとづいて判定し、作業に対する改善度や腰痛リスクを評価する方法である。しかし、人間工学評価ツールの利用に際しては、手法に関する知識が必要であること、評価結果にばらつきがあること、評価には手間や時間がかかることなどの課題がある。これらの課題を解決するために、これまでの研究では作業画像から得られる関節2次元座標を事前に作成した機械学習モデルに入力することによって作業姿勢を自動で評価する方法を提案した。しかし、機械学習モデルに含まれる姿勢データは低負荷の姿勢が大半を占めており、労働現場でよくみられる高負荷な姿勢の評価精度が低くなるという課題があった。そこで本研究では、実際の労働現場において高負荷な姿勢を含む作業を対象として、モーションキャプチャの計測、およびそれと同期した動画の取得を実施し、高負荷な姿勢を含む姿勢データセットを作成することを目的とした。具体的には、協力企業A社の労働現場において、木枠製造作業、製函作業、梱包作業を対象とした撮影を実施した。その結果、腰部への負担が大きい前傾姿勢やしゃがみ姿勢、ひねり姿勢などがみられた。特に、木枠製造作業では床面での作業割合が大きく、高負荷な姿勢が多かった。また、製函作業では上肢の挙上が多く、梱包作業では振り向き時にひねり姿勢が多くみられた。最終的には、これらの姿勢に対して人間工学評価ツールに基づく姿勢スコアを付与し、これまで作成していた姿勢データセットに対して今回計測した高負荷な姿勢データを追加した。