表題番号:2025C-752 日付:2026/03/29
研究課題政権担当能力評価と無党派層の投票行動
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 遠藤 晶久
研究成果概要
本研究課題では、衆議院議員選挙の長期データを用い、無党派層を「無党派層志向(無党派であることへの愛着や自己規定)」の強弱によって分類し、その投票行動が選挙結果に与える影響を分析した。分析の結果、無党派層の大部分を占め、選挙結果を大きく左右する「無党派層志向の低い」グループが、実質的な「勝者の決定者」であることが明らかになった。この層は、特定の政策的一貫性やイデオロギーに基づいて投票する傾向が弱く、その時々の政治状況に応じて流動的に投票先を変化させてきた。資料では、こうした流動的な行動の背景として、政策以外の要素、特に「政権担当能力」への評価が、彼らの投票決定に重要な役割を果たしていることが示唆されている。

そのうえで有権者の政権担当能力評価がどのような構造を示しているかを、2023年から2025年のデータで確認したところ、2023年には自公維とそれ以外の野党という2軸に分かれて評価がされていたところ、25年になると、自民・立民・維新・国民・公明という主要政党5党の評価が連動し、それとは別の軸としてれいわ・参政・共産の3党の評価が連動する結果となった。これは年齢層で分けて分析しても変わらない。この2年間の政党対立の流動化によって有権者の評価軸も変化していることが強く示唆される。

本研究課題ではさらに政党ブランドの形成に関する実験も実施した。政党ブランドと政権担当能力評価の形成が政党支持態度とどのような関係にあるかは引き続き検討する予定である。