表題番号:2025C-751 日付:2026/04/02
研究課題放射線技師の安全確保のための位置推定システムの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院情報生産システム研究科 教授 立野 繁之
研究成果概要
 病院内の治療室で放射線を用いた治療を行う際に、放射線技師は患者の周りで医療機器の操作中に作業内容や装置の配置の動的な変更により法律で定められた許容量以上の放射線を被曝してしまうことがある。放射線技師の安全性を確保するためには、作業を行っている技師の現在位置と被曝量を連続的にモニタリングする必要がある。しかし、患者のプライバシーの観点から病室内での通常のカメラの使用は禁止されてるため、RGB画像を用いた人物の位置推定が行えない。
 本研究では、3DカメラのRGB情報を用いず深度情報のみを利用して、あえて人物の特定が困難な画像データから技師の位置の推定を行うアルゴリズムを開発する。さらに、技師が携帯している放射線線量計と位置推定アルゴリズムがら得られた位置情報を同時に取得し治療室内の移動軌跡と被曝量をリアルタイムに表示する。この位置推定システムは、技師の作業中のアラーム実行や作業内容の改善方法の提案などに役立てることができるようになると期待できる。
 今年度は、3Dカメラの深度情報から得られる距離データをデータ欠落部分をマスキングしたグレースケールの画像として処理することで、汎用的なRGB用画像処理をである背景差分法を利用した動体の検出法を検討した。移動平均の重み係数を調整することで、緩やかな背景変動状態下での人物検知は95%以上の精度で実現できた。しかし、治療室内の治療用ベッドは照射ユニットなどの装置類が移動した際に、人物と装置との判別が出来ない事が問題点として浮かび上がった。今後は人物と装置を区別するための方法論を検討する予定である。