表題番号:2025C-741 日付:2026/04/04
研究課題真核アクチンを特徴づける協同的構造多型性の起源に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 上田 太郎
研究成果概要

真核アクチンはきわめて配列相同性が高く、多機能性で、かつ構造多型性をもつ。他方、原核生物のアクチンは配列相同性が低く、単機能である。真核アクチンは真核生物と特徴づける極めて重要なタンパク質であり、これがどのように原核アクチンから進化したのかを明らかにすることは、真核生物の進化を理解するうえでも重要である。そこで、真核アクチンの起源を探るため、真核生物の姉妹群として同定されたAsgard古細菌のアクチンの機能・構造解析を目指している。Asgardアクチン遺伝子が発見されたのは2015年であり、それ以降世界的に複数の研究グループにおいてその精製を目指した研究が展開されてきたが、いまだに再現性の良い成功例は報告がない。今回われわれは、大腸菌発現系において、新しい可溶化タグを融合させることで可溶性のAsgardアクチンを再現性良く調製できるようになった。またこうしたAsgardアクチンを真核アクチンの重合条件においても凝集してしまう問題もあったが、これに関しても、アクチンフィラメントが形成される溶液条件をみいだすことができ、予備的な電子顕微鏡観察も行った。

ただし、まだ精製の純度が低いので、精製法を改良し、クライオ電子顕微鏡解析に進むとともに、構造多型性の有無などを検討していきたい。