表題番号:2025C-731
日付:2026/04/01
研究課題視覚刺激に対する人間と生成AIの反応
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 助手 | 茂木 雅祥 |
| (連携研究者) | 商学学術院 | 教授 | 守口剛 |
| (連携研究者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 後藤正幸 |
- 研究成果概要
本研究では,「視覚刺激に対する人間と生成AIの反応」をテーマとして,特に動画広告評価における生成AIの人間類似性の検証を行った.近年,LLM を用いて人間の回答を模倣する「Silicon Samples」が注目されているが,従来研究は主にテキストベースの評価に限られており,視覚刺激に対する応答の再現可能性は十分に検証されていなかった.本研究はこのギャップに着目し,動画広告という視覚的刺激に対する評価を対象に,生成AIの出力と人間評価との比較を行った .
具体的には,動画広告データセットを用い,広告効果を5段階で評価するタスクを生成AIに実行させた.ゼロショット,フューショット,CoT(思考連鎖)といった複数のプロンプト設計を比較し,評価分布の再現性を検討した.その結果,ゼロショットにおいても一定の再現性は確認されたものの,生成AIは高評価に偏る傾向が強く,人間の分布とは乖離が見られた.また,フューショットやCoTによる改善効果は限定的であり,特に分散の再現には課題が残ることが示された .
これらの結果は,生成AIが視覚刺激に対して人間らしい評価を生成する可能性を部分的に示す一方で,評価の多様性やばらつきの再現には限界があることを示唆している.今後は,回答者の属性を反映したペルソナ設計や,検索拡張生成(RAG)の導入により,人間評価への類似性の向上が期待される.
以上より,本研究は視覚刺激に対するAIの応答特性を明らかにし,マーケティングにおける新たな評価手法の基礎を提示するものである.