| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 助手 | チョウ カンウ |
| (連携研究者) | 経営システム工学科 | 教授 | 岸知二 |
- 研究成果概要
ソフトウェアリファクタリングとは、外部機能を変更することなく内部構造を改善し、コードまたは設計上の欠陥を是正する活動である。これらの欠陥はソフトウェアスメル(Software Smell)と呼ばれる。リファクタリングは現代のソフトウェア開発に不可欠なプロセスであり、開発効率および保守性に大きな影響を及ぼす。本研究では、グラフ深層学習(Graph Deep Learning)を活用し、ソフトウェアの設計・実装情報をAIに理解させることで、リファクタリング活動を知的に支援することを目的とする。研究は「Code Level Smell Refactoring」「Design Level Smell Refactoring」「GRAS(Graph Refactoring Assistance System)」の三課題から構成される。
本年度は、これら三課題を体系的に推進した。まず課題①では、知識グラフを活用したコード事前学習手法「KG-Code」を提案し、構文情報と意味情報を統合的に学習する枠組みを構築した。本成果はAsia-Pacific Software Engineering Conference(APSEC 2025)に採択され、コード表現精度の向上および下流タスク性能の改善を実証した。次に課題②では、グラフニューラルネットワーク(GNN)に基づくコードスメル自動リファクタリング手法を提案した。抽象構文木と制御フロー情報を統合したプログラムグラフを構築することで、Long Method、Large Class、Feature Envy 等の代表的スメルに対する改善候補生成を実現した。本成果はInternational Conference on Machine Learning and Soft Computing(ICMLSC 2026)において口頭発表を行い、国際的に研究成果を発信した。さらに課題②および課題③では、半自動生成による大規模コードスメルデータセット(SACS)の構築、GNN手法の拡張研究、ならびにグラフ型リファクタリング支援システム(GRAS)の開発を進めており、関連する三編の論文を現在投稿中である。
以上のとおり、本年度は理論的基盤の確立から実践的支援環境の実装に至るまで一貫した成果を創出し、コード品質管理の高度化に向けて学術的・実用的両面から着実な貢献を果たした。