表題番号:2025C-722 日付:2026/02/02
研究課題高精度光信号の安定性に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 川西 哲也
(連携研究者) 理工学術院総合研究所 招聘研究員 稲垣惠三
(連携研究者) 理工学術院総合研究所 嘱託研究員 実野邦久
研究成果概要
本研究では、次世代電波天文台 ngVLA(next generation Very Large Array)に向けた高精度基準光信号源の開発を目的として、光源制御技術および計測技術の高度化に取り組んだ。ngVLA は米国電波天文台を中心に開発が進められている国際的な大型計画であり、日本の国立天文台もその開発に協力している。本研究は、国立天文台からの要請を受け、我々がこれまで培ってきた高精度光変調技術を活用した基準光源の研究開発を進めたものである。これまで世界最大規模の電波天文台である ALMA において連携実績を有しているが、ngVLA に向けた取り組みを加速するため、本年度新たに国立天文台、早稲田大学、名古屋工業大学の三者による共同研究体制を立ち上げた。ngVLA では、デジタル技術の積極的活用とともに、コストと性能の両立が重要な技術方針として掲げられている。従来、光変調器の高精度制御には、光スペクトラムアナライザを用いて変調状態を直接観測しながらバイアス制御を行う手法を採用してきた。しかし、この方法は高価な計測器を必要とし、将来的なシステム展開や実用化を見据えると、コストおよび運用面での制約が課題であった。今年度はこれに代わる方式として、高速応答が可能な光パワーメーターを用い、光強度情報のみから変調器のバイアス点を制御する新たな手法に取り組んだ。実験により基本動作の成立を確認し、装置構成の簡素化と低コスト化に向けた重要な技術的知見を得た。
さらに、基準光源技術を単なる信号供給源にとどめず、高精度計測技術として発展させる研究方針の追求も継続した。その結果、本技術を中核とする大型の新規研究プロジェクトの受託につながり、今後の研究展開および学内外の研究基盤強化に資する成果が得られた。