表題番号:2025C-706
日付:2026/03/27
研究課題探究型授業における教師の支援:教員養成課程学生を対象とした数学ゼミの分析を通して
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 助手 | 小川 俊彦 |
- 研究成果概要
- 本研究の目的は,教授人間学理論(ATD)におけるStudy and Research Paths(SRP)にもとづく探究型授業における,授業中の教師の支援の特徴の一端を明らかにすることである.今年度は,教員養成大学で実践されたSRPにもとづく数学ゼミのデータを分析し,教師の支援の特徴を考察した.具体的には,授業トランスクリプト,学生のメモ,板書写真等をもとに,ATDの分析枠組みである「プラクセオロジー」および「探究としての教師の作業」を用いて,授業中の教師の支援を,学生の数学的活動と関連づけることにより分析した.その結果,本事例の教師の支援として,①数学的性質そのものに焦点化した問いの提示,②メディアに示された証明の厳密な理解の要求,という二つの特徴を特定した.これらの特徴が特定された背景として,教師が初めて探究型授業を担当したことに加え,従来の輪読ゼミや講義演習型授業での指導経験の影響を受けていたことが考えられる.このことから,探究型授業では,学習者がミリューとの相互作用を通して,問いを追究し必要な知識を学習できるよう支援するという,「亜教授性の視点にもとづき支援できること」が教師の専門性として位置づけられる可能性が示唆された.以上の成果については,2026年1月にスペイン・バルセロナにて開催された国際会議(CITAD8)において口頭発表を行ない,参加者と探究型授業に固有の教師の支援の特徴について議論した.今後は,分析をさらに精緻化し,国際学術誌への投稿を予定している.