表題番号:2025C-705 日付:2026/03/27
研究課題数学教育における探究を通した高大接続に向けて
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 宮川 健
研究成果概要

本研究は,これまでに進めてきた探究型の数学学習に関する研究をさらに発展させようとするものである.これまで,「教授人間学理論 (ATD)」の範疇で提唱された「世界探究パラダイム」という数学教育の考え方に基づいた探究型の数学学習がどのような可能性をもっているのか,そして,それを学校現場で導入するためには教師にはどのような専門性が求められるのかということを探ってきた.一方,わが国では高校までの数学と大学以降の数学に大きな隔たりが存在する.高校まで数学が得意だったのに大学一年生でつまずき,残りの大学生活をほぼ不意にしてしまう学生が少なくない.このことを背景に,探究を通して数学教育の高大接続を図れないかと考えたのである.本課題研究は,2025年度に申請し採択された,2026年度から始まる科研費課題の準備となるものであった.

本研究の成果は主に二つある.第一に,高校までの数学と大学以降の数学を「問題解決」と「理論構築」という視点から考察し,「術の数学」と「論の数学」の存在を明らかにするとともに,探究がその架け橋となることが見えてきたことである.この成果は2025126日と7日に宮崎大学で開催された全国数学教育学会第63回研究発表会で発表し,現在,その内容を投稿論文にまとめている.第二の成果は,2026119日から23日にスペイン・バルセロナ自治大学で開催されたATDの国際会議(CITAD 8)に参加し,探究に関するこれまでの研究成果を発表するとともに,高大接続のための探究型学習についての情報を収集したことである.CITAD 8では,研究成果を発表するのみならず,同様の研究課題に取り組む参加者とコミュニケーションをたくさんとることができ,研究のアイデアが多く得られた.