表題番号:2025C-701 日付:2026/04/03
研究課題モータータンパク質ミオシンによる組織の秩序化と相互情報伝達の制御機構の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 富永 基樹
研究成果概要
1.根冠最外層における細胞壁分解酵素分泌とミオシンXIの役割
根冠ミオシンXIの役割を検証するため、xi-2・xi-b・xi-g の三重変異体に、RCPG プロモーター駆動のRCPG:tagRFPコンストラクトを導入し、RCPGpro:RCPG:tagRFP/pBm43GW(xi-2, xi-b, xi-g)形質転換体を作製した。三重変異体では RCPG の分泌に異常が生じることが明らかとなり、根冠最外層でのRCPG分泌過程にミオシンXIが関与している可能性が示唆された。この結果は、ミオシンXIが細胞壁分解酵素の輸送・分泌において重要な役割を担うことを示す興味深い結果となった

2.液胞形成過程におけるミオシンXIの機能解析
三重変異体を用い、液胞膜マーカーである VHP1をmGFPと融合させたVHP1-mGFP/pGWB501を導入した。導入株では明瞭な蛍光シグナルが検出されており、液胞膜マーカーが適切に発現していることが確認された。これにより、三重変異体背景における液胞形成過程の異常や、ミオシンXIの関与を今後詳細に解析するための基盤が整った。

3.根冠ミオシンXIの人工的高速化による輸送依存的機能の検証
根冠で主要に働くミオシンXI-BとXI-G のモーター領域を、シャジクモ由来の超高速ミオシンXIモーターに置換した高速型バージョンを作製した。
高速型ミオシンを発現する根冠細胞層を観察したところ、XI-B・XI-G のいずれにおいても層構造の乱れが生じていた。この表現型は、根冠の分化・成熟を制御するNAC転写因子SOMBRERO(SMB)変異体で報告されている異常と類似していた。