表題番号:2025C-700 日付:2026/03/21
研究課題地理教育におけるフィールドワークの指導力育成プログラムの開発に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 池 俊介
研究成果概要

日本の中学校・高校の地理教育では一貫してフィールドワークが重視されてきたが、実施率は2025%と低い状態が続いている。その原因の一つはフィールドワークに関する教師の指導力の不足にあると考えられている。そのため、本研究では、教師がフィールドワーク指導に必要な知識・スキルを習得しうる研修プログラムを開発するための基礎的な資料を収集し、プログラムの内容を検討することを目的とした。学校教育で行われるフィールドワークは、見学型、作業型、探究型に区分できるが、日本で主に実施されてきたのは見学型フィールドワークであった。見学型フィールドワークは準備や実施に要する時間・労力が比較的少ないが、近年は学習指導要領でも資質・能力の育成が重視されるのに伴い、生徒が自ら課題を設定し、その課題の解決に向けて探究する探究型フィールドワークの実施が強く求められるようになりつつある。したがって、今後は探究型フィールドワークを指導するための研修プログラムの内容を検討する必要がある。ヨーロッパでは探究型フィールドワークに関する研究や実践が盛んであるが、例えばポルトガルではリスボン大学地理学教室が主導する探究型フィールドワークのプロジェクトである「私たちは提案する!」が行われている。このプロジェクトは高校生がローカルな地域から課題を発見し、ほぼ1年間をかけて課題解決に向けて活動する長期間にわたるものであるが、ヨーロッパではこうした本格的な探究型フィールドワークの実施が目指されている。しかし、日本の学校教育において長期にわたる本格的な探究型フィールドワークの実施は現実的とは言えない。そのため、考察のための資料提供の方法の工夫など、時間を短縮し教師の労力を減らすためのアレンジが必要となる。ポルトガルで収集した資料をもとに、今後は日本の学校教育に適合した探究型フィールドワークの方法を検討する予定である。